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「ヴァイオリン」というと、クラシック音楽の世界で活躍する楽器のイメージが強いかもしれません。
しかし、実はヴァイオリンは、ジャズやポップスなど幅広いジャンルで活躍できる楽器なのです!
今回お話をうかがったのは、ヴァイオリンとヴィオラの両方を操り、クラシックからポップスまで、ジャンルや編成の垣根を越えて音楽を届けている、下谷岬向さん。LiveDeliでも評判の奏者として、さまざまなシーンで活躍しています。
今回は、そんな下谷さんの演奏の工夫やアレンジのこだわりを、たっぷりとお聞きしました。
「弦楽器って、こんな場面にも合うかも!」「こんな曲をお願いしたいかも」
ぜひそんな想像を膨らませながら読んでみてください。
■下谷 岬向(ヴァイオリン・ヴィオラ奏者)
東京音楽大学を卒業。
京都出身、2歳からヴァイオリンを始める。第20回 関西弦楽コンクール 優秀賞受賞。第28回 第15回長江杯国際音楽コンクール 弦楽器部門 第3位。現在は森山直太朗/杏里/米米CLUB 石井竜也/平原綾香/齊藤京子 日向坂46/城田優/新妻聖子等様々なアーティストのライブレコーディングを担当し、スタジオミュージシャンとして活動中。
映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」スコアスーパーバイザー。
■聞き手:福島 未貴
フリーランスのライター・トロンボーン奏者。武蔵野音楽大学を卒業後、現在は記事執筆の傍ら演奏活動や音楽レッスンの仕事にも携わっている。音楽を専門的に学び活動している演奏家ならではの視点から、音楽・演奏にまつわる情報や、演奏家の想いをお届け。
ポップスにもクラシックにも対応!ライブやレコーディングでも活躍する音楽家・下谷岬向さん
ーー ヴァイオリンとヴィオラの両方を演奏されるとのことですが、具体的にはどんなシーンで演奏することが多いのでしょうか?
下谷さん:
大学時代まではクラシック音楽を専門に学んでいたのですが、今はポップスを演奏をさせていただくことが多いです。
レコーディングなどスタジオ系のお仕事やライブ演奏、ほかにはアーティストさんのライブでバックストリングスをやらせていただくお仕事が中心となっています。
メインはヴァイオリンなのですが、必要に応じてヴィオラに持ち替えて演奏しています。
ーー そうなんですね!音大卒業後、ポップスをメインに演奏されるヴァイオリン奏者はめずらしい印象があります。
下谷さん:
シンガーソングライターのaikoさんが好きで、自分でも編曲や作曲をしたり……。
大学時代はクラシック音楽専攻でしたが、ポップスの勉強も学生時代からずっと続けていたんです。「卒業したらポップスの世界でやっていきたい」と思っていました。
今は割合としてはポップスが多いですが、今でもクラシック音楽を演奏する機会もあります。特にLiveDeliでのお仕事の際には、よくクラシック音楽も演奏していますね。
“お馴染みの1曲”をより楽しめるように。シーンに応じた楽曲アレンジへのこだわり
ーー 編曲も手掛けられるとのことですが、具体的にはどのように楽曲をアレンジされるのでしょうか?
下谷さん:
もともとはピアノソロの曲をヴァイオリンで弾いたり、弦楽四重奏でカバーしたりできるように、楽譜を作ったことがあります。
毎年定期的に開催しているようなコンサートだと、常連のお客さまの場合は、どんどん聞き馴染みのある曲も増えてきますよね。そんなとき、毎回同じ曲を同じように演奏するよりは、なにか変化があると面白いかな、と思っていて。
たとえば、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「悲愴」や、ショパンの「ノクターン」は、あまり音楽に詳しくない人でも聴いたことも多い、有名な曲です。
こういった曲をヴァイオリンで弾いたり、弦楽アンサンブルにアレンジして演奏したりすると、とても喜んでいただけることが多いですね。
ーー ピアノの名曲を弦楽器で!それは斬新なアイディアですね!
下谷さん:
弦楽器用の楽譜が出ていなかったり、最新のポップスはまだ楽譜が出版されていないこともあるので、その場合は自分でアレンジして作っています。
お子さま向けのコンサートではディズニーやジブリ、最近のアニメソングなどを演奏することが多いのですが、メロディがしっかり際立つように意識してアレンジをしていますね。
そのほうが小さいお子さまでも親しみやすいかな、と思って工夫しています。
普段からお仕事でポップスを演奏していることもあり、流行りの曲や新しい曲など、リクエストにお応えして、わりとなんでも演奏しています!
360度、お客さまに囲まれて演奏!「生きているうちに何度聴けるか…」と喜ばれた演奏の思い出
ーー クラシックからポップス、そしてコンサートホールからスタジオレコーディング……と、本当に幅広く活躍されていますが、これまでにインパクトがあった本番はどんなものですか?
下谷さん:
LiveDeliのお仕事で、東京の早稲田にある「宗参寺」というお寺でコンサートをさせていただいたのですが、それがすごく思い出に残っています。
宗参寺では毎年恒例でコンサートをやっているようで、常連のお客さまもいらっしゃるんです。
ーー お寺でコンサートって、めずらしいですね!
下谷さん:
会場は天井がすごく高い場所で、真ん中に演奏スペースを設けてもらったのですが、なんと360度全方位にお客さまがいらっしゃるという、かなり特殊な環境でした。
お客さまとの距離も近くて、間近で生演奏を聴いていただいたんです。
お越しいただいたお客さまからは、その場で感想をいただくことができました。
「こんな素敵な演奏、人生のなかで何回聴けるか分からないから、今日聴けてすごく嬉しい」と温かいメッセージをいただき、それが今でも鮮明に記憶に残っています。
多彩なアレンジ力と確かな演奏技術で、一生の思い出に残る生演奏をお届け!
クラシックからポップスまで幅広いジャンルに対応し、ヴァイオリンとヴィオラをシーンに合わせて使い分ける下谷さん。
演奏シーンやお客さまの属性に合わせて楽曲を選び、必要に応じて編曲までも手がける柔軟な対応力は、多くの現場での経験に裏打ちされた、彼女ならではの大きな強みです。多様なニーズに応えられる下谷さんは、生演奏依頼を考えている方にとって頼もしい存在といえるのではないでしょうか。
「弦楽器の生演奏、取り入れてみたい!」という人は、ぜひ一度お問い合わせくださいね。
<下谷 岬向さん プロフィール>